ウルトラマンマックス25話「遙かなる友人」

先週の回を今見終わったんですが、いやーマックスは有名怪獣の出ない話に良作が多いなあ。今回は素晴らしいジュブナイルでした。番組内容をかなり網羅した形で紹介しますので、ネタバレが嫌な方は避けてください。実際に見た方がゼッタイいいでしょうから。

バスケ好きの少年、カケルの元にやってきた光の粒子。その実体は、異様な姿の異星人キーフ。彼は宇宙探査の果て、母星を失った孤独な宇宙人で、キーフの姿に怖がるカケルを気遣い、人間の姿に擬態する優しさを持っていました。
「地球はね、カケル。僕がはじめて出会った、生命の惑星なんだ」キーフの純粋さに心を開いたカケルは、キーフに街を案内してまわります。キーフが目にする当たり前の自然と人。それはキーフが、孤独な宇宙で何よりも望んだものでした。感動するキーフに、カケルは「このまま人間の姿のまま住んじゃいなよ」と提案しますが、その言葉にキーフは疑問を口にします。「なぜ、普段の姿ではいけないんだい?」そう、この世界では、異星人=侵略者でしか無いのです。
「僕は何も悪いことはしていないし、これからすることもない」と、カケルの制止も聞かずにダッシュの元に自ら出頭するキーフ。ダッシュの面々は彼の態度に好感を抱きますが、その研究セクションは違いました。案の定、休むヒマすら与えられず調査や実験を受ける事になるキーフ。マスコミの報道も冷たく、周囲の人の反応も彼を疑っているものばかりでした。研究者達の目を盗み、キーフを気遣う主人公・カイト(ウルトラマンマックス)に「この星はいままでたくさんの侵略を受けてきた。研究者達の行動はもっともだ」と語るキーフ。彼は自分が一生研究道具にされる事すら受け入れていたのです。その行動を理解できないでいるカケルに、キーフは傷ついた身体で語ります。
「この美しい惑星が好きになって、心から人間と友達になりたいと思う異星人がきっと現れる。でも、彼らは僕のように人間の姿になれるとは限らない。彼らは異星人の姿をしてるせいで侵略者だと思われてしまう。そんな時、もし過去に一人でも人間の信頼を得て、本当に人間の友達になれる異星人がいたら…少しは違うと思うんだ。僕はね、カケル。その最初の一人になろうと決めたんだ」
現在の身の安全ばかりを心配する人々とは違い、キーフは遠い未来、人間と宇宙人が共存できる日々を夢見て、その礎になろうとしていたのです。心打たれるカケルとカイトの前に、運悪く、全く関係の無い悪い宇宙人が攻めてきます。「やはりキーフはスパイだった!」と毛色ばむ研究者達。マックスは立ち向かいますが敵は強く、逃げまどう人々がその光線攻撃に晒されようとする時…キーフは身を盾にして人々を救い、その身体を光の粒子と散らすのです。サ・ヌーシュ。「憧れ」という言葉と共に…。
後日カイトは、キーフが残した言葉の意味をカケルに伝えます。「「憧れ」は、僕たちの手と足を動かす。躓いても倒れても、あの遙かな地平にたどり着こうと僕たちは歩き続ける」と…。
地球の風の中に溶けたキーフがみまもる地球の未来は、果たして明るいのか?カケル少年のまっすぐな瞳で物語は終わります。

はあ〜っ…。これを20分程度でやってしまうんだからウルトラは凄い。河相我聞が宇宙人役だったのなんて全然気にならなかったデスよ。涙腺が緩みすぎて鼻ズルズルになりながらOPに戻って脚本クレジット見たら太田愛さんで納得。あー、ダイナ41話の「ぼくたちの地球が見たい」でも同じように涙腺刺激されまくってたよ俺!この人の素朴で優しい話には弱いんだー。ターンエーのウィルゲム発進の回とかさー…。
つーか来週も太田愛脚本らしいので、皆さんもぜひ見て下さいな。ネクサスの不振で急遽できたにしては素晴らしすぎる良い番組ですからー!(笑)