金田伊功さんがお亡くなりに

個人的にはここ数年で一番ショックな出来事です。私がTVアニメが好きになったのも、特にロボットモノが好きだったのも、構図や動画に興味を抱いたのも、結果ゲーム演出でもタメや抜き等のタイミングに拘るのも、振り返ればそのオオモトは金田アクションあっての事だと自覚しています。実写をトレースするのでは無く、脳内のイマジネーションで作画される、現実以上に豊かでダイナミックな表現。世界に誇る日本のアニメーション、その魅力とは、金田作画に代表されるクリエイターの脳内映像の具現化と言えるのでは無いでしょうか。少なくとも私はそう信じています。中割りが多けりゃ良いってモンじゃ無いんです!
はぁ。もう新しい金田作画は見れなくなってしまうのですね。悲しいですが、どうか安らかに……心よりご冥福をお祈りします。そしてありがとうございました。

追記:金田さんをご存じ無い方に軽く説明しますと、『金田パース』と呼ばれるダイナミックな遠近感を持った構図と特徴ある動きで有名なアニメ作画界の大御所にして現役の方です。ザンボット3でのザンボエースと敵が港でもみ合うと画面手前で津波が起きて人々が逃げ惑うシーンのド迫力で、当時小学生だった私はやたら衝撃を受けた記憶があります。比較的目にしやすいOPでは、ガイキング・グレンダイザー・ダイターン3・ブライガーアクロバンチラッキーマンあたりが印象深いですね。劇場版では宇宙戦艦ヤマトのコスモタイガー強襲シーンや999の惑星崩壊シーン、幻魔大戦のクライマックスなどなど……アニメファンの人なら、誰もがきっと目にしている筈の気持ち良い動きやカッコイイポーズ・構図。それを古くから今に至るまで表現されてきていた方です。

あ、すみません。一番好きなOPを書き忘れていました。サイボーグ009。「誰がために」は今でも良く口ずさみます……。